こんにちは!
板橋区、中板橋駅近くの歯医者「まるやま歯科クリニック」院長の丸山です。
今回は歯周病が体に及ぼす影響はどのようにして起こるのか?を考えていきたいと思います。
【歯周病菌VS体の防御機能】
歯周病は歯茎の炎症に始まり、進行すると歯を支えている歯根膜や歯槽骨などの組織を破壊してしまう病気です・・・。
その主な原因はプラーク内に生息する歯周病菌です。
では、歯周病に感染した歯茎の中では、いったいどのような事が起こっているのか見てみましょう!
歯周病に感染した歯茎の中では、病原菌を体内から取り出そうと、様々な物質が作り出されています。
これが、いわゆる『炎症反応』と呼ばれる体の防御機能で、歯周病は「歯周病菌の感染症による慢性炎症」と捉える事ができます。
一方で、歯周病菌は他の細菌たちと共に『プラーク』という集合体を作り、さらにその表面を『バイオフィルム』という膜を張り巡らせて生息しています。
『バイオフィルム』は体が細菌を排除しようとする働きに対抗する強力なバリアで、炎症反応によって作られる物質(炎症物質)もこれにはなかなか太刀打ちできません。
そうなると体は細菌に対してさらに攻撃を仕掛けてきます。
この過剰な防御反応はやがて歯の周囲の組織(歯根膜・歯槽骨)をも攻撃し、これらの組織を破壊してしまいます。
歯周病による症状の多くは、このような歯周病菌VS体の防御機能の戦いの結果から生じているものと考えられます。
では、次に全身にはどのようにして運ばれていくのか?考えてみましょう。
歯周病によって歯槽骨が破壊されるにしたがい、歯と歯茎の間には『歯周ポケット』と呼ばれる隙間ができます。
健康な歯茎は、その表面が細菌や外界からの刺激を叱り遮断するバリア機能を果たしています。
しかし、歯周病になっている歯周ポケット内の歯茎には、炎症によってその表面がただれてしまい、本来のバリア機能を失ってしまいます。
そうすると 細菌や炎症物質は歯周ポケット内から内部に侵入し、そこから血管を通じて全身へ運ばれてしまうのです。
その全身へ運ばれた歯周病菌や炎症物質が、全身疾患の引き金になる事が近年の様々な研究によっておきらかになってきています!
次回、どのような疾患との関係性があるか具体的に見ていきたいと思います。